残照身辺雑記

日々の出来ごとや感じたことなどのあれこれを記録します。

読書雑記帳 (1)ニューノーマル

読書の時間が急増した。 Covid-19の出現によって、当たり前であった日常が、ウイルスとの隔離性という、思いもよらない視点で選別されることになった。不都合なものは排斥され、そうでないものは維持・選好される。かくして新たな日常「ニューノーマル」が生じた。「読書時間の急増」は私の「ニューノーマル」である。

読書は嫌いではないが、偏食が著しい。ビジネス・専門・科学・歴史など教養・実用・ノンフィクションに偏重している。それも現役時代のことで、今ではポツリぽつりになっている。文学・小説の類は猶更のことで縁遠い。年を取ると大抵のことには驚かないし感受性も劣化している(そのくせ涙腺は緩い)。記憶力も大切である。読んだ先から忘れてしまうので大変である。こんなことで読書を楽しめるだろうか心配である。偏食も身体によくないだろう。改善したい気持ちもある。

 

ということで、半年前になるが、これではならじと、コロナ自粛を好機に、日本文学の再読を始めた。手元の新潮の全集から手あたり次第。「砂の女」「城崎にて」「斜陽」「人間失格」「金閣寺」「仮面の告白」「雪国」「山の音」・・・。

 
Q:いずれの作品も日本文学の最高峰という。しかしながら、残念なことに、自分の心に訴えてくるものがない。作家は思いや風景を文字に託している。どう読んだらいいのだろう。美意識や問題意識にズレがあるということか・・。単なる理解力の問題なのか・・。はたまた理系の価値観に浸かり切ったせい?
 
A:多分読んでいる本が時代に或いは読み手の要望にマッチしていないからだと思うよ。「砂の女」は別として、志賀直哉三島由紀夫はとても退屈です。川端康成も同じかも。いまさら「人間失格」を読んでもねー。とは妹からのコメント。賢くて優しい!
 
 コメントに納得。本との出会いを求めることが肝心と理解して、取あえず拘りなく色々と読むことにした。結果、読書時間が急増。役に立つ読書から楽しむ読書へ意識が少し変わった気もする。「読書雑記帳」の記事タイトルで読書記録をつけることにした。