残照身辺雑記

日々の出来ごとや感じたことなどのあれこれを記録します。

清明次候(4/9~4/13頃)「鴻雁北」 

爽やかな春の日のWalkingです。風と日差しが気持ちいい。春分から清明へ。72候では「鴻雁北(冬鳥が北へ帰るころ)」とある。

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季節の主役は桜から若葉へ。

 

ケヤキの若葉が鮮やかです。

 

 

 

 

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 遅咲きの山桜が最後の華やかさです。

クヌギの芽吹きが始まっている。

淡いピンクと萌黄色のコントラストが美しく青空に映えています。

 

読書雑記帳 (6)ビッグバン宇宙論(上・下)/サイモン・シン

サイモン・シン著「ビッグバン宇宙論」を読んだ。素晴らしい内容でおススメです!誰もが知っている「ビッグバン宇宙論」。それが確立されるまでの歴史と背景にある理論が分かり易く説明されています。

 

ビッグバン宇宙論(上・下)/サイモン・シン青木薫訳)/発行2006 新潮社(原著刊2004)なお現在は書名が「宇宙創成(上・下)」に変更されている

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著者は、「ビッグバン宇宙論」について、「人類は幾千代にもわたって空を見上げて、その不思議に思いを巡らせてきたが、我々の世代になって初めて、宇宙の創造と進化について、かなり満足のいく、合理的で首尾一貫した説明ができるという栄誉に浴することになった。

ビッグバン・モデルは、夜空に見えるものすべての起源をエレガントに説明する。人間の知性と精神が成し遂げた最も偉大な成果の一つである。それは、好奇心と創造力、そして細心の観察と厳格な論理から生み出された。

素晴らしいことに、ビッグバン・モデルは、誰にでも理解できるシンプルさと美しさを備えている。しかしそこには過去2千年の間に粘り強く築かれてきた天空に関する理論や観測が組み込まれている。」と述べている。「神話」から始まって、「宗教」との確執と克服、そして近代科学としての「ビッグバン・モデル」の確立に至る天文学の歴史が語られる。

ビッグバン宇宙論は、実は、私にとっても不思議な因縁があり、特別な関心がある。というのは、ビッグバン宇宙論の成立に貢献があったとされる資産家にしてアマチュア天文学者パーシヴァル・ローウエルが、なんと120年前の1898年(明治22年)5月に私の生家を訪れ宿泊したというのである。その訪問の様子を以下の記事にアップしている。ということで、本書の中での彼がどのように登場するのかをも期待しながら読み進めることになった。 afterglow0315.hatenadiary.jp

本書では、ローウエル天文台ヴェスト・スライファーが行った観測のことが詳しく述べられている。彼は、銀河の星雲のドップラー遷移を初めて測定し、多くの銀河が大きな後退速度を持つことを発見した。この現象を説明しようとする試みがのちに膨張宇宙論に繋がることになった。スライファーはビッグバンの証拠となる決定的な観測を行ったことになる。他方、ローウエルは火星に文明の存在を求めて観測に熱中したという。

観測の舞台となった 天文台は、ローウェルが、私財を投じて1894年アリゾナ州フラッグスタッフに設立したもので、その建設は、彼が私の生家を訪れた1889年から5年後のことであった。

ローウエルとスライファーのビッグバン理論への貢献の偉大さに比べて、彼等への評価の小ささが気になる。このあたりのいきさつを論じた「膨張宇宙の発見. ハッブルの影に消えた天文学者たち/マーシャ・バトゥーシャク 著」という本があることを知った。早速読んでみることにしよう。

ビッグバン・モデルに触れた者は、誰しも、ビッグバン以前の宇宙はどうだったのか、また、ビッグバンの行き着く先はどうなのかを知りたいと思うだろう。本書ではいくつかの仮説レベルとされるモデルが紹介されている。天文学は、「理論」と「観測」と「計算」が補完協同しあって、宇宙のなぞを解き明かしてきた。いつの日か天地創造の謎をも解き明かすのだろうか。

 

絶好の日よりのWalkingと花巡り/源平枝垂れ桃・ミツマタ

気持ちのいい青空です。飛行機雲が出るときは天気が下り坂とのこと。

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今日は絶好の天気。Walkingと花巡りに出かけることにした。

登山シューズとストックで足元を固めて出発。

 

 

 

白花と赤花が鮮やかな「源平枝垂れ桃」が隣家の塀越しに見えている。

紅白の咲きf:id:afterglow0315:20210403183654p:plain

分けを源平咲と呼ぶとのこと。

桜かと思ったが、桜には咲き分けはないそうです。

紅白のコントラストが美しい。

 

次に、近くでは一番見事な桜並木にご挨拶。

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丁度満開で

例年通り見事です。

 

 

 

 

 

 

今日の最終の目的地は青貝山の麓のミツマタの群生地。ちょうど開花の時期。

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青貝山麓の山桜が美しい。

 

 

 

 

 

 

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新緑の山道を進む。

山歩きは2年ぶりになる。

この間の衰えが気になる。

今日が試金石でもある。

 

無事到着。 満開のミツマタの花が迎えてくれた。谷筋を埋め尽くしている。

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往復3時間の 山歩き。

体力は問題ないが、足元が危なっかしい。

 

読書雑記帳 (5)誰もが楽しく有益に読むことができる書物とは・・/読書案内・世界の十大小説・月と六ペンス・人間の絆/W.サマセット・モーム

サマセット・モーム「読書案内(BOOKS AND YOU 1940)」の中でこの本を書いた理由を、「過去の文学者たちの偉大な遺産を前に途方にくれている一般読者のため

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に、誰もが、楽しく、かつ有益に読むことができるような、書物のリストを提供することにあった」と述べている。

どんな本を読もうかと、いつも悩やまされている我々読者にとって、そのようなリストは願ってもないことである。

そして、「リストにとりあげる第一の条件は、楽しく読めること」としたうえで、欧米の40名余の作家の著作を紹介している。

更に14年後、モームは、続編となる著書「世界の十大小説(TEN NOVELS AND THEIR AUTHORS 1954)」を発表している。

前作では40余名であった作家を10名に絞って、各人1作品とし10作品を選んでいる。大胆そのものであるが、自信と確信に溢れており、モームには迷いも言い訳もない。読者としては有難く、頼もしい限りである。

モームは、本書のいきさつや意図、取り上げた作者や作品の紹介、作品に対するコメントなどを述べている。加えて、モームが考える「小説論」「読書論」「読み方指南」などを、読者に寄り添って、愛情深く、分かり易く説いている。悩める読者は大いに勇気づけられ元気づけられる。

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モームの主張の一端を紹介すると、「小説はあくまでも楽しんで読むのが本当である。

ある小説を読んで楽しく思えないならば、その作品は、その読者に関する限り、何の価値も持たない。

読者は誰も自分自身が最良の批評家である。何が楽しく読めるか、また読めないかが分かるのは、当の読者その人だけだからである。

その一方、小説の作者のほうには、3,4百ページの書物を読むに要するわずかばかりの勤勉な努力を惜しまぬことを、読者に要求する権利がある。・・・」といったものである。

さて、モームが選んだ10大小説は以下の通りである。

1.フィールディング『トム・ジョーンズ

2.ジェイン・オースティン高慢と偏見

3.スタンダール赤と黒

4.バルザックゴリオ爺さん
5.ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド』

6.フローベールボヴァリー夫人
7.メルヴィル『白鯨』
8.エミリー・ブロンテ嵐が丘
9.ドストエフスキーカラマーゾフの兄弟
10.トルストイ戦争と平和』 

トム・ジョーンズ』が18世紀の作である以外は、すべて19世紀の作品である。いずれも100年も前の古典ともいえる作品である。果たして現代の我々読者にとってはどうなのだろうか。モームに言わせれば、20世紀の作品は歴史の評価を十分には受けていないので、名作としての選択は今のところ時期尚早であるとのこと。

ということで、モーム氏の言い分に賛同して、自分としては、リストは大いに参考にしたいと思う。書物選びの迷いから解放されるし、これらの作品が楽しいか否かは興味あるところでもある。リストの中では、『赤と黒』と『ゴリオ爺さん』は以前読んでいて、それなりに楽しめた記憶があるし、『白鯨』は早々にギブアップした記憶がある。半世紀たっての再読になる。楽しみである。

サマセット・モームが「月と六ペンス」の著者であることは、何故か、昔からよく知っている。戦後の高校の英語の教材によく採用されたとのことで、多分そのせいであろう。知っていたのは名前と書名だけのことである。

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ところが、今回、小説のリストのことや、辛口の小説論に接して、モーム自身の小説がどのようなものなのか気になった。

彼が主張するような、楽しめる小説なのだろうか?有名な2つの作品を読むことにした。

 

 人間の絆(OF HUMAN BONDAGE 1915)/モーム・行方昭夫訳(岩波文庫);

虚実を織り交ぜたモームの自伝的作品。主人公フィリップの幼少期から青年期、医師として自立するに至るまでの半生を描いた長編小説。曲折と波乱に満ちた若き日の遍歴がダイナミックに描かれる。長大に綴られるが飽きることなく完読した。

 

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 月と六ペンス(THE MOON AND SIXPENCE 1919)/モーム・行方昭夫訳(岩波文庫);

画家ゴーギャンをモデルに、半ば空想の芸術家像をモームが作り上げる。

絵画への激情に突き動かされて行動する特異で強烈なキャラクターの画家が、すべてを断ち切ってパリを出奔し、南太平洋で没するまでの生涯が語られる。