残照身辺雑記

日々の出来ごとや感じたことなどのあれこれを記録します。

セイタカアワダチソウの盛衰 資源を食い尽くすエイリアン?

道路の斜面全体がススキの銀色の穂に覆われ何処からかやってきて根付いたナンキンハゼの紅葉が始まっている。ニュータウン箕面森町に通じるこの道路は街開きと同時に開通した。もとは小高い丘が連なった市郡境界であったが、切り通しの道路が開削されて我が町と結ばれ、私のウオーキングコースになった。

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当初は法面には保護のためと思われる植栽がされていたが、それが定着する間もなく斜面はセイタカアワダチソウが埋め尽くしてしまった。ところがそれは長く続かず、数年もすると勢いは弱まって、今ではすっかりススキに入れ替わってしまった。こんなに早く植生が変わるものかと驚かされる。

愛犬のボーダーコリーのジョンがセイタカアワダチソウの若葉が大好物だったのと、一帯には鹿の家族⇩がよく見られることから連想して、シカが食べつくしたせいだと勝手に思っていた。事実僅かでも残っているのは鹿が入り込めない道路わきのフェンスとガードレールの隙間のような場所⇩に限られている。この仮説は当たっているかも!だけどちょっと待てよ?・・・と調べてみた。

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記事によれば、あれほど脅威と騒がれたセイタカアワダチソウの侵入であったが、最近は日本中ですっかり勢いが衰えて、収束に向かっているとのことらしい。そう言われれば派手な黄色い花の群生はあまり見なくなった気がする。

その退勢の理由とは、根を地中浮かく伸ばして、あるだけの栄養分を消費し尽くしてしまうのと、他の植物を排除するために分泌する物質が、ほかの植物がなくなってしまって、自己中毒作用を起こしているためらしいとある。外来植物であるが故に、日本の風土のなかでは再生のサイクルがうまく築けないのだろうか?資源を消費しつくしては星から星へと宇宙を旅するSFのなかのエイリアンを思わせる。他方、北アメリカでは日本からやってきたススキが侵略外来種として脅威になっているらしい。覇権をめぐる攻防と盛衰はどのようになっていくのだろうか?

国道423号と国道477号に挟まれた奥まった大阪北部の丘陵地に建設されたニュータウンは二つの国道と結ばれ、箕面トンネルが大阪市中心部に向けて開通し、更に、新名神高速道路インターチェンジが間もなく供用になる。様変わりに便利になった。自然に恵まれた中に新しい町並みが生まれている。街の変化も植生のそれに劣らず目覚ましい。隣接する私の住む町もその恩恵を受けることになった。