残照身辺雑記

日々の出来ごとや感じたことなどのあれこれを記録します。

1939年(昭和14年)生まれ

昭和14年の出生者数は極端に少ない。生まれた者の数は1,901,573人で、その前後に比べると10~15%も少ない (昭和13年もかなり少ない)。日中戦争が始まったからという。欧州では第2次世界大戦も始まっている。戦争の申し子というべきか。ところが、小学校の入学は昭和21年であり、私たちは戦後教育の第1年生になった。平和の子でもある。

今年で78歳になる。昨年10月時点での生存者数は1,167,000人(男性520,000+女性647,000)である。約40%の者が亡くなっている。昭和14年生まれには誰もが知っているような有名人は見当たらない。地味で存在感は薄い。己卯年らしいと云うべきか。我々もいずれ退場となる。この先の未来はどんなものだろうか?

厚労省が毎年公表する簡易生命表というものがある。1年間の死亡者数を年齢別に集計しただけの単純なものだが、これをもとにすると、人の死についての様々な指標が推計できるという。ある年齢の者が平均してあと何年生きることが期待できるかの年数が平均余命として生命表から計算され表示されている。

平成28年簡易生命表によると、昭和14年生まれの77歳男性の平均余命は10.80年、女性は14.17年である。即ち、平均的な男性の場合77+10.80=約88歳まで、女性は約91歳まで生きることが期待できることになる。

さて11年後に88歳になった者はどうなるか?もちろんそれで終わりということではない。同じ生命表を適用すれば(実際には変化する)88歳男性の平均余命は5.00年とあるので、この男性は93歳までの生存が期待されることになる。更に、93歳での平均余命は3.37年なので寿命は96.4歳。これを繰り返していくと100歳の時点でも平均余命は1.89年ある。誰もが100歳超の超長寿者になる可能性がある??どんなことなのか?もう少し具体的に見てみよう。

簡易生命表の年齢別の死亡率から集団の年ごとの死亡者数が計算できる。28年の簡易生命表を使って昭和14年生まれ77歳男性の集団についてエクセル表計算を行うと;

平成28年には520,000人であった生存者の数は、平均余命である10.8年後の88歳の時点では生存者は約253,400人、それまでに死亡した者の数は266,600 人であった。88歳の平均寿命に達するまでに半数以上の者が死亡するということである。現実は厳しい!さらに92歳での生存者は約130,000人(25%)、96歳での生存者は約50,000人(9.6%)と計算される。

もう少し身近な数字は死亡率かもしれない。77歳男性の年間の死亡率は3.32%。3%では死は中々現実的には感じられないのかもしれない?87歳では10.9%、92歳では18.5%、96歳で26.8%になる。

以上が昭和14年生まれの未来図のスケッチである。余命宣告でもある。残された月日は長いのか短いのか。いずれにしても限りあるもの。残照は明るく照り映えてみえる。しかし時は刻々と刻むを止めない。私には死は未だ遠い遠いものにしか感じられないのだが・・。