残照身辺雑記

日々の出来ごとや感じたことなどのあれこれを記録します。

春の多紀連山 フキノトウと雲部車塚古墳

今日は朝から春本番の陽気になった。好天は今日までとのことなので、フキノトウ採りに出かけることにした。例年は2月末か3月初めなのだが、今年は遅くなってしまった。フキノトウの芽吹きは早く、残雪の中でも採ったこともある。ここ数日ことに気温が高い、伸びすぎていないかタイミングが心配だ・・などと話ししながら、いつもの篠山市北部の多紀連山に向けて出発した。

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多紀連山は篠山盆地の北側に連なる標高700~800mの連山で、日本海に注ぐ由良川水系と瀬戸内海に注ぐ加古川水系とを分ける中央分水嶺になっている。全体は兵庫県に位置しているが北側は京都府に接して府県境界になっている。その山々の北側の麓が我が家の山菜スポットなのだ。連休の頃にはわらびも伸びてくる。だいぶ前のことだが、道路わきの竹林のカーブを注意しながらゆっくり運転していると、沢山取れたから持って行きなさいと、掘ったばかりのタケノコを頂いたことがある。通るたびに思い出す嬉しい記憶だ。

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 国道173号を北上し、途中から多紀連山の裏側に回り込むかたちで約1時間のドライブになる。山道に入ってしばらくすると人家や耕作地が途切れて、通る車もめったになくなる。所々で車を止めては移動しながら探すことになる。フキノトウはどこにでもある訳ではなく、要領を得ないと見つけるのが難しい。水辺に近くて日当たりが良い、小川の土手や用水路の脇、田畑の畝や道路脇の斜面などが好ポイントである。根茎性の多年草なので一度場所が判れば毎年だいたい同じような所で見つけることができる。

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以前は簡単に飛び越えた小川も今は何かに掴まらないと危なくなった。情けないことだ。カメラを首から下げているのでなお更だ。今日はフキノトウは妻に任せて、カメラに専念することにする。

鮮やかな黄緑色の芽吹きは良く目立って春の到来を告げている。日差しの中でまさに春が来たーという感じで明るい気持ちになる。少し伸び加減だが大丈夫。今日の収穫は150gでフキノトウ味噌を作るには十分な量だ。採りすぎると次の年に響くような気がしている。意外に繊細なようだ。

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帰りに雲部車塚古墳に立ち寄った。こちらの方は多紀連山のすぐ南側である。5世紀に造られた前方後円墳丹波地方では最大の墳墓という。4世紀頃までは大型の墳墓は、専ら丹後地方に造られ、独自の丹後王国が繁栄したとされるが、丹波に築かれた雲部車塚古墳は、その後の大和王権への権力の移行を示しているという。静かな田園の中に環濠に囲まれた美しい姿を見せている。取り囲む水に浮んでいるようで優美さが際立っている。どんな歴史を秘めているのだろう。