スダジイを知っていますか? 樹木ウオッチング(6)スダジイ
スダジイはシイ(椎)の正式和名です。身近な樹木ですが「スダジイ」という奇妙な名前です。その由来について諸説はあるものの定説とするものはないそうです。
そこで解明に挑戦;先ず「スダ」の意味を調査。小学館日本国語大辞典に"「スダ」は植物「ウラジロ」の異名"とあるのを発見。正月飾りでお馴染みの、裏が真っ白なシダが「スダ」。「スダジイ」は、葉の裏が白いのが特徴の「シイ」です。故に「スダ」+「シイ」=「スダジイ」では?中々いい感じですが果たして・・・。
椎の木と言えば、童謡「お山の杉の子」を思いだします。何故か、椎の木とこの歌が強く結びついています。
"昔昔の、その昔~♬ 椎の木林のすぐそばに~♪
小さなお山があったとさ~、あったとさ~♬"
"丸々坊主の はげ山は いつでもみんなの 笑いもの~♬
これこれ杉の子 おきなさい お日さまにこにこ 声かけた~ 声かけた~♬"
歌詞はこのあと、"大きい椎の木からチビッ子と、からかわれていた小さい杉の子は、大きく育って、椎の木林に負けない、立派な杉山になった"と続きます。懐かしく思い起こされる方も多いかもしれません?
YouTubeで聞いてみようとしたところ、この歌は、元々は戦時中の戦意高揚の歌だったものを、戦後になって、子供たちの健やかな成長を願う歌詞に書き換えられたものだというのです。子供たちが元気に成長するように願う歌、とばかり思っていたのでびっくりでした。視聴されたら如何でしょう。お勧めです。
さて本題
"スダジイ";
常緑広葉樹。
樹街路や公園樹によく見かけます。大きく立派に育ちます。
樹形:
大きく広げた枝が、曲がりくねりながら、高く伸びて、ブロッコリー状の樹冠を形成して、堂々とした姿になります。
樹皮:暗褐色。表面はデコボコして荒く、深い裂け目が縦状に入る。
葉 :表は光沢のある緑。裏は白っぽい。先が尖った卵型で長さ5~10cm。ゆるい波状鋸歯がある。葉脈は羽状脈。
果実:樹種の判別の大切な手掛かりだが、今の時期ではお目にかかれない。今度の秋の楽しみとしよう。