残照身辺雑記

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吉野彰さんノーベル化学賞受賞!(2) 決定のシーン "Announcement of the Nobel Prize in Chemistry 2019"

吉野さんの受賞が決まって報道ラッシュ。同時期に同じような立場で、企業での研究開発に携わっていた者として、共感すること多く、また、我がことのように嬉しい。幾星霜の末の栄光。受賞決定の印象的なシーンです。

2019.9.6.(水)18:45 旭化成(株)が用意した記者発表会場。発表会場はこれまでも10数年にわたって毎年準備されてきたが、そのたびに空振りを繰り返してきたという。今年も多数の本社勤務の社員たちが期待を込めて詰めかけている。

会場にはストックホルムノーベル化学賞の発表セレモニーが同時配信されているのだろう。その進行を全員が固唾をのんで見守っている。

そして、"グッドイナフ"の名前が呼ばれた瞬間、会場にはどよめきが起こり、同時に確信めいた空気が流れた。同氏はかねて共同受賞者と目されており、集まった人々はそれをよく知っているのだ。そして3人目。遂に"ヨシノ アキラ"。まさしく待ち臨んだ瞬間である。全員の喜びが爆発した。このあとは怒涛の報道。

YouTubeストックホルムでのノーベル化学賞の発表セレモニーの様子がアップされている。"Announcement of the Nobel Prize in Chemistry 2019" 

www.youtube.com

43分間の長編であるがとても興味深い。選考委員長が吉野さんへ受賞の決定を知らせる電話の第一報のシーンや直後に行われる記者達による吉野さんへの質問など。

英語である上に、電話の音声がはっきりしないらしく、吉野さんが(勿論映像はない)戸惑いながら、受け答えされている。それにしても受賞が決まった直後のストックホルムからの質問攻め。nativeな人たちには何でもないことだろうが、予期せぬままでの日本人にとっては試練だろう。こんな一齣があることを知った。

発表セレモニーが終わってから、選考委員の一人が、記者のぶら下がりインタビューに答えながら、この発明の高度性、重要性や将来性などを、笑顔いっぱいで、この受賞を心から喜ぶ様子で説明していたシーンがとても印象的であった。数多の候補の中から選んだことについての確信と自信を発信してくれている。