残照身辺雑記

日々の出来ごとや感じたことなどのあれこれを記録します。

キバナノツキヌケホトトギスが開花した  秋が深まって街路樹の色づきが美しい

街路樹が色づき始めた。ケヤキとエノキとアメリハナミズキの混栽がそれぞれの色に染まっている。真っ先に赤くなったハナミズキだいだい色に紅葉を始めたケヤキ。エノキは緑を保っている。黄緑のグラデイションが美しい。

f:id:afterglow0315:20191022132656p:plain

我が家のキバナノツキヌケホトトギスが今年は例年になく美しく開花した。葉を突き抜けて伸びた花柄に黄色い花が並んで付いている。花柄が葉を数珠つなぎにした、名前の通りの不思議な姿をしている。妻が実家の父から託されて持ち帰った鉢を大切に育てている。絶滅危惧種らしいが、我が家では差し芽と播種で鉢が増えている。

キバナノツキヌケホトトギス(黄花の突抜杜鵑草、学名:Tricyrtis perfoliata)は、渓流の崖から垂れ下がるように生えるユリ科の多年生の草本で、世界で尾鈴山にのみ自生する固有種で、個体数が減少して絶滅が危惧されるとある(by Wiki)。

f:id:afterglow0315:20191022135545p:plain

尾鈴山は、歌人若山牧水の故郷の山である。『ふるさとの 尾鈴の山の かなしさよ 秋もかすみのたなびきて居り』。牧水の生家は、尾鈴山を間近に望む宮崎県日向市東郷町大字坪谷に、現在もほぼそのままに残されている。妻にとっても私にとっても所縁の地でもある。

旅の歌人牧水が残した代表歌6首;「幾山河 こえさりゆかば さびしさの はてなむ国ぞ けふも旅ゆく」「うす紅に 葉はいちはやく 萌えいでて 咲かむとすなり 山桜花」「白鳥は哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ」「白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 酒はしづかに 飲むべかりけり」「ふるさとの 尾鈴の山の かなしさよ 秋もかすみのたなびきて居り」「なつかしき 城山の鐘 鳴り出でぬ 幼かりし日 ききしごとくに」。城山の鐘は今も延岡の町に時を告げています。